窓は、ただ光を取り入れるための開口部ではありません。
そこから見える景色や、差し込む光の角度までもが、
暮らしの印象を大きく左右します。
kisetsuの家では、大きな窓を設けるときも、
その配置や高さに細やかな意図を込めています。
外の景色を余すことなく取り込むのではなく、
日々の暮らしにふさわしい
「視線の流れ」を整えるためです。
視線が庭へと抜けると、
内と外がひとつながりのように感じられる。
視線が壁で留まれば、
安心感や落ち着きが生まれる。
窓はその両方をコントロールする存在です。
ただ明るければいい、
ただ広ければいい、
ということではありません。
何を見せ、
何を隠すかを選び取ることで、
住まいの風景は暮らしに寄り添うものへと変わります。
窓辺から見える景色は、
設計の意図によって「暮らしの一部」として切り取られているのです。