kisetsuの空間は、
一見シンプルに見えて、その奥には繊細なバランスがあります。
床の木、壁の白、天井の木。
この穏やかな三層を基調としながら、
そこに石やタイルを添えることで、空間に奥行きをもたらしています。
決して小さく控えめな面として扱われるわけではなく
ときに大きな面積で、しっかりと存在感を持ちながらも、
不思議と主張しすぎることがない。
質感や色のトーンを微妙に整え、
境界を際立たせず、静かに重ねる。
そうすることで、素材の個性が競い合うことなく、
ひとつの空気としてまとまっていくのです。
強さの中に穏やかさがあり、
存在感の中に静けさがある。
その絶妙な関係こそ、kisetsuの空間づくりの要です。
素材が語るのは、
“見せる美しさ”ではなく、“整える美しさ”。
時間が経つほどに、その静かな調和が深まっていきます。