空間に深みを与えるものは、
光の強さではなく、陰影のやわらかさです。
kisetsuの住まいでは、
明るさを追い求めるのではなく、
“影が生まれる余地”を残すことを大切にしています。
たとえば、深い軒がつくる陰。
壁や天井に落ちる淡い影。
それらが光を受け止めることで、
空間は静かに立体感を帯びていきます。
影は、決して負の存在ではありません。
光を引き立て、空間に奥行きを与えるための対。
その関係性の中にこそ、
人が心地よさを感じる“調和”があるのだと思います。
陰影は時間によって表情を変え、
暮らしの風景に静かなリズムをもたらします。
朝は淡く、
昼は柔らかく、
夕は深く。
その移ろいが、住まいに命を吹き込んでいくのです。
光が満ちる場所にも、影が寄り添っている。
そのゆるやかな移ろいが、
暮らしに深さと安らぎを与えてくれる。
kisetsuが描くのは、
そんな“陰影がつくる豊かさ”です。