住まいの印象は、出来上がった瞬間よりも、
暮らしの中で過ごした時間によって少しずつ形づくられていきます。
そのために大切にしているのが、素材や仕上げの選び方です。
例えば、空間の一部に用いられる石貼りの壁や、
やわらかな表情を持つ板張りの天井。
どちらも強く主張するためではなく、
光の受け方や陰影の出方、そ
して経年による風合いの変化まで見据えて選ばれています。
新しさがピークになる素材ではなく、
時間とともに落ち着き、空間になじんでいくもの。
そうした仕上げは、住み手の暮らしが重なるほど違和感が減り、
むしろ居心地の良さとして積み重なっていきます。
流行や一時的な印象ではなく、
長く過ごす中で自然としっくりくること。
時間を味方にする素材と仕上げは、
住まいの質を静かに支え続けています。