光は、空間の印象を大きく左右します。
けれど、その存在を強く意識させないことのほうが、
実は大切だと考えています。
器具の数や配置を細かく語ることはありません。
私たちが整えているのは、「明るさ」そのものではなく、
素材の表情や空間の奥行きが自然に立ち上がる環境です。
石や塗り壁の質感、
天井の陰影、
壁の奥行き。
それらが昼とは違う表情を見せる夜の時間も、
どこか落ち着き、過度に緊張しない空気であること。
光は主役ではなく、空間を支える存在。
意識されないほどに整えられた配灯が、
結果として、美しく、空間をそっと整えてくれます。
設計とは、見えるものをつくる仕事でありながら、
同時に、見えない質を整える仕事でもあるのだと思います。